一人ぼっちの漫画工場

ちょいとコメントで質問があったのでより正確にお答えします。

バーピィのイメージする戦争ってどんな形ですか？？（具体的に、どうやって相手を殺傷するか、という話です。）

技術水準に差がある国vs国の戦いはなんとなく想像できるんですよ。相手が捕捉できないような、戦闘機で爆弾なり生物兵器なりを空中から落とせばいいんじゃないか、と。（後始末については敢えて考えてません。）

ただし、技術水準＆軍事予算が同じレベルの国が戦った時に、どうなるかが想像できません。お互いが、核ミサイルを発射しあうような誰得？みたいなことが本当に起こるんでしょうか？

現代において、特攻のような形はテロのような小規模の場合は有効だと思いますが、大規模な戦争で行って高い効果が見込めるんでしょうか？
戦争の正当性を示す上での広告効果を考えると有効かもしれませんけど。

核武装を否定しているわけではありません。それよりも、核兵器が使われて６０年以上が経過しているのに、核兵器以上の有効な手段がない（と思わされてる？）ことが不思議なんです。


質問まとめ

1、私がイメージする戦争はどんな形か？
２、同レベルの国家同士が戦った時どうなるのか？
３、特攻のような形のテロは大規模な戦争で高い効果が見込めるか？
４、核以外に有効な手段はないのか？

まず1に答える前に２からお答えしましょう。
同レベルの国が戦った時どうなるか想像できないとのことですが当然です。
同レベルならお互い損害が大きすぎて戦争などできません。
これは「軍事バランスが保たれている状態」です。

技術水準に差がある場合は想像できるとのことですがこれも当然。
一方的に攻撃できてそれで利益があるなら国家というモノはやります。
この状態は「軍事バランスが保たれていない状態」です。

軍事バランスが崩れて一報が抑止力を失い「戦争するに足る利益がある」と
誰かが判断した時戦争が起こります。

抑止力なんて言うと難しそうに聞こえますが別にむずかしい話ではありません。
要は「誰も損はしたくない」というだけの話です。


例えば喧嘩が強そうで実際強いA君と
見るからに弱そうで実際弱いB君。
二人が手に5万円持って街を歩いていたとき
不良にカツアゲされるのはどちらでしょうか。
そしてそれはなぜでしょうか。


答えはもちろんB君です。
理由は「カツアゲ」という不当な要求を行っても反撃されて痛い目を見る可能性がないからです。
一方的に金銭を巻き上げられるという「利益」があるのでB君はカツアゲされます。

逆にA君はカツアゲされません。
不良は5万円は欲しいでしょうがA君は喧嘩が強いのでその利益が手に入る保証がなく
それどころか一方的に殴られて痛い目を見るだけの可能性が高いからです。

A君はその喧嘩の強さ、「物理的に相手を屈服させ脅威をはねのけ我が意志を通すための実力」
すなわち「武力」をしめしていることによって
不良の「カツアゲして5万円を奪いたいという意思」を「抑えて止めた」のです。
不良がそれでも5万円が欲しいとしたら彼はカツアゲとは別の手段を取るでしょう。
武力で奪うことはできないので
代わりに何かを差し出すからその5万円をくださいと「交渉」を行うことになります。

これが「抑止力」です。
個人から国家に至るまでこの原則は変わりません。
拳から剣や槍、重火器から戦車戦闘機軍用艦、核ミサイルに至るまで
全ては「我が意志を通すための実力」です。


3つ目の質問ですが特攻は大規模な戦争ではあまり意味がありません。
そもそも後で述べますが現代ではよほどの戦力差や事情がない限り大国同士の全面戦争は起こりません。
互いの攻撃力が高すぎて損害が大きすぎるからです。
あくまで劣勢な方のテロ用といった感じになります。

そして4つ目の質問ですが
核に対抗するものは基本的には核です。
2の質問で答えたとおりバランスを守るのがまず第一、
あわよくば相手より上を行くべきそれが軍事です。
核よりすごい反物質爆弾でもできれば話は別ですが
相手と同じものを持つというのは軍事バランスを保つうえでの基本です。
例外として相手の核ミサイルをミサイルで撃ち落とすMD（ミサイルディフェンス）といった
拒否的抑止力も存在します。
これは喧嘩で言うなら敵の攻撃を避ける達人みたいなものです。
「不良がどれほど殴りかかってもパンチが当たらないので望みを達成できない」
という種類の抑止力になります。
しかしそれがあるからじゃあ核はいらないなという話にはなりません。
MD含めどんな種類の兵器も完ぺきではないからです。
軍事の世界においては基本的に「これがあるからあれはいらない」という話にはなりません。
同種兵器が更新された場合のみ旧式兵器が消えていくことになります。


で以上を踏まえて最初の1の質問ですが
私が考える大国同士の戦争の形とは
離島などの小さな部分での取り合いです。
具体的には尖閣諸島では中国。北方領土でロシア。竹島ではK。
あんな感じで全面戦争にはお互い至れないのでそうなる以前の状態で少しずつ領土を広げ
恫喝と宣伝を駆使して相手の領土や利益を削りうばっていく。
一歩間違えて小規模紛争になっても小規模以上のものにはしない。

たがいに拳銃を突きつけあっていて発砲はできないので
つま先を押し付けあってギリギリ押し合い
「あ？ここは俺の陣地だコラ」
「ざけんな出てけやその足どけろボケ」
「踏むのか？この足踏む気か？撃つぞこら。あ？」
とやってる感じです。

日本は拳銃に相当する核ミサイルを持ってませんが
一応の防弾シールド（MD）をもっています。
また同盟国のアメリカが後ろでチャカもってにらみを利かせています。



今後は分かりませんが現在の大国同士の戦争はそういう形になっていると思います。



こうして見ると分かると思いますが軍事とは「外交」カードの極めて重要な一枚という側面があります。
どんなにこっちが筋として正しかろうが圧倒的武力に恫喝されてしまってはあらゆる交渉で不利になります。
こっちは素手なのに相手が銃を持っていて「あれとあれをよこせ。でなきゃ戦争だ。」
と言われたら飲むしかありませんよね。
B君がカツアゲされたら5万円渡す羽目になるのと同じです。
相手と同等かそれ以上の武力があって初めて対等な交渉、話し合いが可能になるのです。

プリティ☆ベルのサブタイトルでも書きましたが
「話し合いのためには武力の裏付けがいる」わけですね。