一人ぼっちの漫画工場

http://www.chosunonline.com/news/20110701000044韓・EUのFTA発効、値下がり効果は限定的
自動車やワインなど少数の商品を除けば、消費者が値下がりの恩恵にあずかる品目は予想より少ない。欧州側の反応も冷ややかだ。サムスン電子、LG電子、現代自動車など大企業の現地法人は、FTAが発効してもすぐに何かが変わるわけではないといった受け止めだ。

なんか散々報道して結果はこれかって感じなんだけど気になる点がいくつか。
・効果が限定的ということはKのスタグフレーション（物価は上がるのに給料は上がらない）の解決にならない。
・大企業の現地法人の冷静な反応が不気味。
ホルホルしてないってことは大企業にはそれなりにうまみありという気がする。
そしてグローバル企業というモノは国家を超越したグローバルゆえに国家国民に必ずしも利益を還元しない。
際限なく効率的に「企業の」利益を追求するだけで母国がどうなるかなど一切考えない。
TPPを勧める日本の経団連のように企業の利益のために平気で国を売る。


FTA：自動車・ワイン・農産物に効果

欧州委員会は、韓国とEUのFTA発効により、EU域内の企業は年間16億ユーロ（約1870億円）の関税を節約でき、機械、農産物の輸出業者が最も恩恵を受けるとみている。

記事に農産物の具体例がなかったのでよくわからないが
豚肉や野菜といったものだろうか？
それともワインのこと？農産物って。

年間2000億円というとしょぼい気がするが
一部の産業にそれが集中するとなればそれなりのダメージがあるだろう。
つまり該当の農作物の農家がEUが節約し値下げした分だけ需要を奪われ収入減を余儀なくされる。
続報待ちだけど目に見える食料類の値下げがないなら農家が受けるダメージも大したことない。
ただスタグフレーションも解決しないけどな。
逆に劇的に値下げが発生しスタグフレーションの解決に向かうと
今度はその値下げについていかなければならない農家などが死ぬ。


まぁEU域内の企業全部合わせて年に2000億円弱の影響じゃあ良くも悪くも大したことにならん気がするけど。
いまのところ企業レベルが大騒ぎする程度で国家レベルでは動きなしかなぁ・・・
国民がスタフレで苦しんでるのを鼻で笑うようなグローバル企業を国策で太らせてどうするんだろう？




ふと思ったんだけどこの程度の話でしかなかったFTAを大きく報道して
日本は出遅れたーとか後手に回ったーとかやってるのは
「だから日本もTPPしようぜ!!」というアホどもの誘いの手なのだろうか。


デフレ中にTPP。ダメ。絶対。



テレビとか新聞とかで「皆やってるぞ!!日本も乗り遅れるな!!」的な論調が
多く出ていますしこれからも出るでしょうが見ればわかる通り結論も論拠も示さない中身のない煽り。
実行した結果は地獄直行なので惑わされないように。

余所は余所、ウチにはウチの事情があります。

効率化自由化などといったインフレ抑制策はデフレ中にはそのままデフレ悪化策になります。
TPPはFTAよりヤバい代物です。普通にデフレ悪化+様々な日本にとって望ましくない
法的サービスなどがアメリカから入ってきます。
日本人が「皆やってるよに弱い」と知ってて煽ってるんだろうけど・・・・
ホントたち悪いな。経団連と日経新聞とか財務省とか新自由主義者とかあの辺。




追記
やっぱりというかなんというか
記事もツイッターも「出遅れた」「やばい」「ピンチ」「競争力の低下が心配だ」一色だな。
貿易依存度低いガチ内需国の日本にとってFTAだのTPPだの大した利益にならん上にその他の損害が多すぎる。
どうしても自由貿易したいならちゃんと財政出動して十分にインフレ化して
そのうえで国民的な議論を深めてからだね。
あんなもん大体仕掛けるほうが一方的に食うつもりでいるんだから。
あと競争力がつくってことは大量の製品を効率的に生産できて値段が下がるってことだから。
競争力が付く、競争力をつける＝インフレ抑制＆デフレ悪化だからね。
競争力つけたきゃまず財政出動ドカンとやってきちんと復興して十分にインフレ化しろと。

増税も自由貿易も効率化も競争力もすべてはそれからです。
デフレ中にはできませんしやってはいけません。
「余所は余所!!ウチはウチ!!」です。
いやマジで。

参考コラム
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2011/03/08/012144.php第９２回　通貨安に基づくグローバル戦略の限界（１／３）

サムスンが飛躍した背景とその意味。
グローバル化って聞こえはいいけど結果はよくないね。